中世以来培われて来た武家風の価値観は、五十数年前の敗戦によってもえ去ってしまった。結婚・葬儀・躾……。実に多くの事柄が旧来の観念とは異なる展開を見せている。ただし一見混沌とした状況を呈しているけど、あるいは次の何かを生み出す準備期間であるのかも知れない。そこで新たな基準の模索が始まっているとの観察も可能・・・。その場合、照準はどこに定められているのかという興味も湧く。 武家的な道徳観には公家社会の価値観が底流していた。ともあれ武家社会が反発し、しかし拠って立たざるを得なかったのが、公家の文化であった。そして、もしそこに意味を見出そうとする傾向があるとすれば、これはこれでなかなか興味深い。現代社会に平安時代の価値観や規範を受け伝えている事例はあるのか・・・。雅楽や祭式、そしてその故実など神社にかかわる事柄の多くだと言ってもよい。というわけで恐らく次代の価値観は、これまでの儒教道徳や武士道といった建前主義とは別に、なよやかな「手弱女ぶり」に近い、本音中心のものとなって行くんじゃない・・・?
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この記事は2009年7月17日に投稿されました。現在の状況とは違う可能性がございます。