2023年度 理事長所信

一般社団法人御殿場青年会議所 理事長所信

2023年度スローガン「All is well」挑戦の先に笑顔!ニッ!
2023年度スローガン「All is well」挑戦の先に笑顔!ニッ!

はじめに

2023年度理事長 渡邊圭太
2023年度理事長 渡邊圭太

 世の中を取り巻く環境は、かつてない変革を迎えています。インフレの懸念や緊迫した国際情勢、コロナウイルス感染症の拡大など、不透明かつ不安定な状況が続いています。現在誰も経験をしたようなことのない変化の時代となっています。その中で、私たちが行わなければならないことは、新しい変化に挑戦をすることだと思います。単純に力が強かったり、知識があるということではなく、新しいことに挑戦することが今を生きる人として大切です。そして、私たち青年会議所の活動はまちや地域の人に良い変化をもたらすことだと思います。私たちが諸先輩方から受け継いできた基本的な理念である奉仕・修練・友情という三信条を元に創意工夫し愛する地域に新しい今の「よりよい未来」を求めていきます。

影響力をもって貢献する

 青年会議所は40歳で卒業を迎える団体です。時間の経過を止められない以上、メンバーを増やさない限り消滅してしまいます。私自身、拡大の担当副理事長を担当した時に思ったのは、少ない人数で影響力のない団体にいたくない。自分が担当したからには自分の為にも拡大をする必要があると感じました。ただ、1人の力は限られており、メンバー全員の協力が必要となります。まずは自分事として拡大の意識を持たなくてはいけません。まさにメンバー一人ひとりが営業マンとなる必要があるのです。営業マンとしてまず必要なことは、自分がその商品を良いと思って自信を持っていないと商品は売れません。そして、あなたは青年会議所の良い所を何個言えますか?むしろないと答える人もいるかもしれません。そんな人に声を掛けられて誰が青年会議所に魅力を感じるでしょうか?まずは自分自身がなぜ続けているのか。良い所はどこなのかを見つめなおすことが拡大の一歩に繋がると思います。そして、それを相手に発信し共感を得られなければいけません。また御殿場青年会議所の歴史は61年を迎えます。現役のメンバーだけではなく、多くの卒業生がいて、至る所で様々な活躍をしています。多くの諸先輩方とも魅力を共有出来る環境を作り、新しい御殿場青年会議所の未来を作っていきましょう。

逆境を乗り越える

 現在、私たちのまちも人口問題や観光客の減少など多くの困難に立たされています。それは、私たちの地域経済が大きく変わりつつあるということです。この新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、世界的にDXの加速などの新しい変化が起こっています。地域経済としても産業構造の変化や観光客の減少等の問題がおこっており、変化を続けていく世の中で過去の成功体験をベースにするだけで戦っていくのは難しくなりつつあります。また、変化の中でも1990年頃から対策の急がれていた問題に、少子化問題があります。30年間もの間、警鐘を鳴らされていた問に一筋の光明も見られていないままバトンを引き継ぐことになります。何の糸口も見いだせていない問いではありますが、私たち青年会議所だからできる変化を起こし、新たな挑戦を行っていきます。

可能性を育てる

 個性の時代と言われている昨今、従来の任務を遂行する人間よりも、個性のある人間が良いと言われています。そしてリーダー像としても、いわゆる昔ながらの数字や役割を遂行するだけの人間ではなく、現代のリーダーに求められているものは、周囲の人にエネルギーを与え、強い信頼関係を構築することが求められています。現在心を奮い立たせるリーダーシップの必要性が高まっているなか、その能力を身につけるための環境はほとんど整備されていません。そして私たち青年会議所は若い世代の団体であり次世代のリーダーを作ることも目的としてあります。人に教えることから共感を得て、相互に作用しながら共に新しい時代を作っていくことが必要となっています。

 また日本人は投資より貯蓄を好む傾向があります。それは悪いことではありませんが現状の円安やインフレの懸念、終身雇用の崩壊などのなかにあっては、自分自身で個人の資産形成をしないといけません。昨年の4月から学校教育で金融教育がスタートしましたが、今までは学校では教えてもらえず、社会においても自ら行動をしないと得られない知識でした。良い変化だと感じていますが、芸能人の投資詐欺問題などもあり、まだまだ抵抗感のある分野となっています。これから長い人生の荒波を超えていくためにも、正しい知識を得ることが必要となっています。

正しい成長を

 青年会議所は40歳で卒業となりますが、かわりゆくメンバーの中でも多くを学ぶ必要があります。規模が拡大し携わる人が増えれば社会に及ぼす影響は大きくなりますが、ただ大きくするだけではダメで、大きくする前に良い団体にしなければならないというのが原点としてあります。そのなかでも近江商人の経営哲学で三方よしという教えがあります。その教えとは、売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしという教えです。ステークホルダーすべてに貢献を果たすことが必要です。仲間を増やすことは必要ですが、正しい教えを行ったうえで得られる結果ということです。広げて倒れない団体にするには基礎が何かを忘れてはいけません。

親愛なるメンバーへ

 私自身2016年に入会し今年で8年目となりました。自分自身が入会した動機は、仕事に繋がったら良いなということと、この地に根を張って生活をしていくためにも地元の団体に入ろうと思い入会しました。実際はそんな感じで入ったので、その年は訳も分からなく、色々な集まりに見よう見まねで参加をしました。それでも良いのか悪いのか分からないまま数カ月が過ぎた時、青年会議所は40歳で卒業なので年末に卒業式が開かれました。いい年して卒業式って何だよと思いながらも参加をしたところ、当時の卒業生達一人ひとりがJC生活の想いを熱く語って、その後の懇親会では涙を流していました。その姿をみて少し驚いたのですが、年を取ってから心を揺さぶられる体験をするって素敵だなと、そしてそんなに一生懸命になれる青年会議所であれば、自分も将来卒業式に出たいと思い最後まで活動を続けようと決心しました。そして、出席を続けて思ったことは青年会議所の活動は参加し断らないことに意味があると感じました。訳も分からず参加しているだけで、気が付いてみたら自分自身の成長を感じているはずです。ただ、やはりそれぞれのJC生活は自分の生活や仕事があり、色々なことを言い訳に、ただただ甘えるだけの日もあるかもしれません。どうしようもない日もあるかもしれませんが、忙しさにかまけたり何かを言い訳にせずにまずは挑戦しましょう。

 また昨年初めて日本青年会議所東海地区静岡ブロック協議会の副会長として出向をしました。今までの出向は何の責任もなくちょっとした用事があれば距離や時間を考えて断れていた環境から、絶対に欠席の出来ない環境ですべての会員会議所やブロックの委員会等に参加をしました。他の地域のメンバーとも長い付き合いになるのだと覚悟し、しっかりと交流をすることは、実はとても良い経験で、もっと早く気が付いていればと後悔をしました。御殿場青年会議所のメンバーと仲良くなることはとても重要ですが、青年会議所は本当に世界と繋がっています。せめて身近な地域での交流には積極的に参加をしてください。色々な地域で同じような悩みを持つ青年がいます。新しい友と新しい経験をしてください。

 その挑戦は、それぞれの行動の先に、きっと素敵な笑顔が待っています。

おわりに

 私たちの取り巻く環境は日々変化を続けています。この変化の先にどんな未来が待っているのでしょう。未来が分かったらどんなに良いことでしょうか。経済学者の話で「未来を正しく予測するのは不可能ですが、未来を決める要素はすでに存在している」という話をしています。未来は今とは違う状況が訪れるという真理は変わりませんが、すでに起こっている状況とその帰結を正しく認識すれば未来が分かると言います。現在の我々の置かれている諸問題は、すでに起こっており、後の世に重大な影響を与える変化でありながら、何ら対策できないでいます。自分自身の取り巻く環境をより良いものにするためにも、私たちはすでに起こっている未来を探しそれに挑戦をしていかないといけません。

 最後になりましたが、今年一年間全力で駆け抜けていきますので、皆様方のご協力並びにご支援を頂けますよう、どうぞ宜しくお願い致します。