2024年度 理事長所信

一般社団法人御殿場青年会議所 理事長所信

2024 年度スローガン『燻るな、燃え上がれ』

はじめに

2024年度 理事長 秋田 大
2024年度 理事長 秋田 大

 「我々は単なる遊び友達ではなく、もっと高度で、より広範囲で、楽しく創造的で、積極的な行動性を持って活動と運動の積み重ねによって自己と地域社会の改善発達のために御殿場青年会議所を設立した。」

 これは御殿場青年会議所設立趣意書から抜粋した文章です。私が2017年に入会してから今までを見てくれていたかのような言葉だと感じ、所信の最初に書くことを決めました。この熱い炎は脈々と先輩諸兄姉たちから受け継がれ、63代目の理事長として私が受け継ぐことになりました。この炎の形や色は人それぞれ異なり、一度も消えることなく受け継がれてより大きな炎となっていることを感じます。

さらに巨大な、最高の協同体へ

 青年会議所は40歳を迎える年で卒業し、常に入れ替わりで同年代の同志が集まることが特徴です。ポジティブな側面は、新しいメンバーが加わることで新たなアイデアやエネルギーが持ち込まれ、組織がより多様性に富むことや新たなチャレンジをする意欲が高まることです。反対にネガティブな側面は、経験を積んで成長してきたメンバーが卒業してしまうことで組織の中で蓄積された知識やノウハウが失われることです。そのため、我々は常に新しい同志を探し求めていく必要があります。拡大活動を通じて、同じ志を持つ仲間が増えることで、御殿場青年会議所の地域へ与える影響力はさらに高まり、より良いまちづくりに貢献することができると確信しております。次年度に引き継ぐ時には、より強固で巨大な組織になり、地域に対してより大きな影響力を持つことができるでしょう。しかし、会員拡大は容易ではなく、情熱のみでは成り立ちません。全メンバーが会員拡大を意識し組織的に行動することで最高の協同体へと進化させていきます。

希望の種を蒔き未来の花を咲かせよう

 子供は身近な人や自然等との関わりの中で主体的に学び、行動し、様々な知識や技術を習得するとともに、主体性と人への信頼感を形成していきます。子供は成長するに伴い視野を広げ、認識力を高め、自己探求や他者との関わりを深めていくが、そのためには発達段階にふさわしい生活や活動または体験を十分に経験することが重要であると考えます。特に身体感覚を伴う多様な経験を積み重ねていくことが子供の発達には不可欠であり、これらを通して子供の継続性ある望ましい発達が期待されます。

 我々は未来の希望である子供たちに何ができるでしょうか。一人の子供を育てるには一つの村が必要である。とアフリカのことわざにあります。家族や学校だけではなく、一つのまち全体で育てなければ子供は育たないという意味です。子供の健やかな成長や発達は親世代の責務であります。学校教育や日常生活では得られない体験をし、知識を育むことで希望の花を咲かせます。

まちとつながり、同郷の仲間と手を取り合う

 数年振りに開催された各所のお祭りに参加し、改めて地域振興の大切さがわかりました。それぞれの地域の特性を生かし、まちの魅力を引き出したお祭りが多く見られ、沿道の人々が皆笑顔で元気な声で参加していた光景はとても印象的で、当時の賑わいを取り戻していると実感しました。

 我々の大きな目的に明るい豊かな社会の実現があります。この漠然とした大きな目的に、それぞれが住むまちの課題を掘り起こし、解決に向け地域や住民と一丸となり取り組んでいきます。まちの課題に対するアプローチや解決方法は様々ですが、きっと青年会議所だからこそできることが存在します。その運動の先には地域で人々がつながり、孤立しない社会になることでしょう。

 青年会議所は全国で680を超えるLOMが存在し、各地で明るい豊かな社会の実現に向けて運動が展開されています。他LOMとの関りは重要で、特に静岡県東部9LOMが団結し情報共有することが地域課題解決に必要であり、同郷の仲間と親睦を深めていく必要があります。

青年会議所で特別な人間関係を

 青年会議所の活動・運動は個々の努力と、志を同じくする同志が協力し合うことでその効果を大きくすることができます。個人の成長や目標達成にとどまらず、集団全体の成果を大きく高めることにつながり、困難な課題や大きな目標に取り組む場合には、同志との連携が非常に重要です。さらに、同志との協力はプロフェッショナルな分野だけでなく、個人的な関係やコミュニティの形成にも役立ち、お互いに理解し合い支え合う関係は、より豊かな人間関係を築く基盤となるはずです。その中でも同期メンバーとの結束が不可欠であり、苦楽を共にし、同じ釜の飯を食う経験が更なる情熱へとつながります。

今を切り取り、常に先を見よ

 青年会議所のベストプラクティスは議案にあります。会議は議論の上で計画を決定し、報告を承認する場であって、議案を改善する場ではありません。理事会に上程する前にはしっかりと作り込んでおく必要があります。会務室事務局は会の要であり、各会議において設営・運営を担当し仕組みを管理します。特に理事会では各委員会との事前の調整が必要で理事会へ上程する議案のチェック等を行います。さらに対内外の広報を担当し、例会や事業の告知を行っていきます。事務局員の杉﨑さんと協力し、事務的、財務的に滞りの無いよう会を前に進めていきます。

組織の進化はシンプルに

「やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ」

 山本五十六という軍人が残した言葉です。ビジネスだけでなく、育児やスポーツ指導など、人を育てる場合に多く用いられています。この言葉には続きがあることを知っているでしょうか。

「話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず」と続き、「やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず」と結ばれます。

 あなたはどれだけ人を動かしましたか?どれだけ育てましたか?実った人はいましたか?人財育成の本質は、自分がこれまでどれだけ成長できたか。そして今後、どれだけ成長できるか。自身の強み弱みを理解し人財育成を成し遂げることです。本年を契機として5年10年と歩みを止めることなく発展しつづけるよう、切磋琢磨しながら明るい未来を継承していきましょう。

親愛なるメンバーへ

 英知と勇気と情熱は全て掛け算で成り立つ方程式であり、このうち1つがゼロになると我々の歩みは止まってしまいます。同時に全てが1では先に進みません。このメンバーで行う活動・運動は2024年1月1日~12月31日までの1年間のみであり、再び同じメンバーが集うことはありません。33名がそれぞれ培ってきた英知と、青年会議所へ飛び込んできた勇気と、今まで燻っていた熱い情熱を燃え上がらせ、常に高い位置で留めながら1年を駆け抜けてもらいたい。本年度はJAYCEE魂に火をつける「燻るな、燃え上がれ」のスローガンを掲げ、自分の内なる燃えるような情熱や欲望を解放し前進することで、活動や運動の効果は倍増します。どんなときも前のめりになって取り組んでいきましょう。

 最後に、満足に青年会議所活動ができているのは家族、会社、地域の方々に理解の基に成立しています。この感謝を忘れずに運動で還元していきたい。1年366日、短い期間にメンバーがそれぞれ瞬間最大風速を発揮すれば、必ずやこの地域から必要とされる団体となり、明るい豊かな社会が実現できると確信しています。