一般社団法人御殿場青年会議所 理事長所信
はじめに
戦後の焼け野原の時代、1949年に「新日本の再建は我々青年の仕事である。」と立ち上がった青年たちによって東京で青年会議所が設立されてから76年が経ちました。1962年には211番目に御殿場青年会議所が設立され64期目を迎えます。世の中が著しく変化してきた中でも青年会議所が存続出来ているのは「利他の精神」が脈々と受け継がれてきたからだと考えています。
目まぐるしく変化している社会において、青年会議所が果たすべき役割はますます重要になっています。私たちは青年の代表として地域の課題に真摯に向き合い、解決策を見つけ出すために努力し続ける必要があります。そのためには、一人ひとりが自らの人間力を高め、リーダーシップを発揮することが求められます。
私たちの運動は、単なるイベントやプロジェクトの実施にとどまりません。地域の未来を見据え、持続可能な社会を築くための運動を展開することが使命です。地域と共に成長し、私たちの運動が地域にどのような影響を与えるのかを常に考え邁進します。
会務室 事務局
一本の木が成長するためには、根がしっかりと地中に張り巡らされている必要があります。組織の根幹を支えるには、単なる事務処理をする役割にとどまってはなりません。メンバーが全力で運動や活動を展開出来る環境を整え、組織全体の運営を円滑に進めることが必要です。円滑に進めるためには常にメンバーや地域の情報にアンテナを張り、情報の基地局となることが求められます。集められた情報を基に、今我々にできる最善策は何かを考えて、議論の中心にならなければなりません。会務室は御殿場青年会議所の団結力の要として、ひいては他LOMや地域との架け橋となる存在だと考えています。
組織全体の運営を支えるための多岐にわたる活動を担当する上で、現状維持ではなく、様々な事例について常に改善を図り、より良い環境を提供するための取り組みを推進してきましょう。
地域振興室 まちづくり委員会
地方では、都市部への人の流出や少子化による人口減少の課題について長年取り組んでいますが、歯止めがかからない状況です。
一方で、御殿場市・小山町では雄大な富士山のもと、非常に優れたコンテンツや宿泊地、歴史、食文化、利便性などを持ち合わせおり、今後も関係人口・交流人口が増える見込みです。将来のより良いまちづくりに備え、地域との連携を深め、共に地域の未来を築いていくための機会を創り出す必要があります。
地方から見た都市部、都市部から見た地方の見え方は異なり、この地域に住んでいない人は我々とは違った魅力を感じると思います。地域の声を大切にし、市民と共に成長するまちづくりを目指しましょう。
未来育成室 青少年育成委員会
近年、タブレット端末やSNS等の普及により情報がとても身近になり、実際にその場へ行かなくても有益な体験や情報を得ることが出来るようになりました。多くの方との交流や学びの機会を受けられる便利な環境になった反面、他者との比較をしやすい環境なったことや様々な社会的要因により、自己肯定感や自己有用感の欠如が見られます。それにより学習意欲や対人コミュニケーションの低下が考えられます。
未来を担う若者たちが自信を持ち、社会に貢献する地域愛溢れる人財へと成長するには、私たち青年や親世代、ひいては市民の方々を巻き込み地域の問題として捉える必要があります。そのためには企業や団体と連携を深め、社会に貢献する機会を提供し、若者たちの成長を支援するための重要な役割を果たしていきましょう。
人財育成室 アカデミー委員会
JCI MISSON「青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する」つまり青年会議所はリーダーが集まる団体ではなく、豊かな社会を築くためにリーダーを育成する団体です。自己成長は受け身では決してなせるものではありません。
青年会議所は自己成長の機会が数多く提供されています。単年度制による組織であることから、毎年違うメンバーと会議所の根幹である議案構築を通じて真剣に議論を交わし、切磋琢磨することが約束されています。互いが想うまちづくりや夢を語り合うことで絆が生まれ、信頼が深まり確かな人脈となって一生の仲間となると確信しています。
また、日本青年会議所や東海地区、静岡ブロック協議会においても大規模な運動を展開しています。LOMの事業のみならず、多くの機会に出席することが非常に重要です。移動距離と出席頻度は成長曲線と比例関係にあるため、メンバー同士で声を掛け合い積極的な参加を促し新たな発見を促進していきましょう。
会員開発室 拡大委員会
私たちは40歳までという限られた時間の中で、地域の未来に対する情熱を持ち、青年会議所の奉仕・修練・友情の3信条を基に、共に歩む仲間を大切にし、豊かな社会の実現に向け歩む必要があります。
地域の未来をより良くする運動や活動を展開するためには、一人でも多くの志高い仲間を増やさなければなりません。性別、職業、国籍、立場に関わらず、現状に満足せず学びたい、挑戦し自己成長したい、社会の役に立ちたい、これらを実現しているのは青年会議所であるという気付きを与え続けることで実現可能だと考えています。
まだ見ぬ仲間と共に、地域の課題や発展に寄与する運動について真摯に向き合い切磋琢磨する場を構築することで、かけがえのない友情を育むことができると確信しています。数は力。多ければ多いほど地域に与える影響は増大します。今まで以上に地域から必要とされる持続可能な組織になるよう邁進していきましょう。
らすさまプラス実行委員会
2017年度に主管し御殿場メンバーが一致団結した静岡ブロック大会を、これほど早く開催することができることに感謝しております。主管を経験した現役メンバーは私を含めて数人しかいないことに、年月が経つのが非常に早いものだと感じています。当時のブロック大会の規模感や影響力を知らないメンバーもいる中、大会を主管することで得られる新たな発想やメンバーの資質向上に繋がると思うと、夏休みを直前に控えた少年の時のようなワクワクした気持ちになります。
静岡ブロック大会とは県内のJCメンバーが一同に集い、日頃のJC運動・活動を一般の方々にも周知することができるとても公益性が高い運動です。らすさまプラス実行委員会はブロック大会と同時開催することで、LOMでは中々展開できない、大きな運動を展開します。
他LOMのメンバーやその家族、地域の方々の記憶に残るような大会を目指してまいります。そのためには、御殿場市、小山町、他団体との連携を深めることは勿論のこと、静岡ブロック協議会の役員の方々とも足並みを揃えて事業構築を推進していきましょう。
親愛なるメンバーへ
私たちの使命はJC運動・活動を通じ他者の考え方や在り方に変化を与え、一人でも多くの指導者を輩出し、明るく豊かな社会を実現しようと考え行動する人間を創出し続けることです。社会に変革もたらす指導者にとって一番大切な能力は「自分より優れた人の力を自分の力として使えること」が必要だと考えています。それを実現させるためには、自身が理想とする未来や叶えたい夢を鮮明に描きながら社会に有益な事業展開をし、気付きを与え続けることであると私は考えています。
今後LOMを存続させ、さらにまちの発展に大いに寄与するための力を得るには、個人の成長が必要不可欠です。昨年度、燻ることなく燃え上がった状態で受け継いだ炎を、メンバーと共にさらに昇華させるよう邁進してまいります。私一人の物語ではなく、御殿場青年会議所全メンバー誰一人欠けることなく、いつまで経ってもの色褪せない物語を紡いでいきましょう。
最後に
地域社会に変革をもたらす波紋を起こすためには、多くの人の想いを集結させることが重要だと考えています。しかし、想いを行動に移すまでが非常に高いハードルとなっていると感じます。
ハードルを飛び越えるには少しの勇気と協力があれば必ず乗り越えられます。勇気と協力を得るには自身や他者の大事にしたい人・もの・思い出、をなぜ大事にしているかを知り、誰かから与えられるのを待つのではなく率先して与える姿勢を見せ、時に寄り添い共に鼓舞しながら後押しする青年会議所活動そのものである利他の精神が必要だと考えています。
青年会議所活動をより意識的に、より濃密にすることで、我々の運動はより一層力強く、効果的なものとなると確信しています。青年会議所が地域に希望と活力をもたらすことを目指し、未来を切り拓いていきましょう。一年間どうぞよろしくお願いいたします。