2019年度 理事長所信

一般社団法人御殿場青年会議所 理事長所信

限界の先に無限の真価 〜想いをつなげ NEXT INNOVATION〜

はじめに

2019年度 理事長 髙田 宜秀
2019年度 理事長 髙田 宜秀

 1949年、志高き青年達の勇気ある行動から日本に青年会議所の灯がともり、修練 ・奉仕 ・友情の三信条を掲げ、明るい豊かな社会の実現に向け、青年会議所運動が始まりました。

 あらゆる苦難を乗り越えながら、1962年より成長を続けてきた御殿場青年会議所も今年で58年目を迎えます。

 私達には計り知ることのできない諸先輩方の努力と強い精神力に敬意と尊敬の念を抱き、御殿場青年会議所は歩み続けます。

自分達の手で 未来を切り拓く

 全国的にも青年会議所の会員減少が叫ばれている中、御殿場青年会議所も他人事ではなく、現在の会員数も32名となりました。今年度は20名を拡大目標に活動して参ります。会員拡大は青年会議所において活動そのものです。会員を維持していくことは、単に組織を存続させるためのものではなく、より豊かな社会となるために社会や市民の意識を変え、まちの発展に貢献できる人財を増やしていくための活動であると考えます。青年会議所は強い信念のもと、常に社会に働きかけをしながら活動しており、多岐にわたり影響力のある団体です。けれども、いくら素晴らしい団体も信念をつないでいく人達がいなければ元も子もありません。私達の活動をより地域に深く広く展開していくためにも、メンバー一人ひとりが活動の基盤となり、自分達の住むまちを少しでも良くするため、今以上に多くの会員を増やすことが必要不可欠です。まずは私達自身が、青年会議所の意義をしっかりと認識し、これからを担うリーダーとなる若者達に青年会議所を熱く、そして的確に伝えることができるならば、人の心をも動かすことができるはずです。そのことを会全体として理解し全員が気概をもって行動に移すことで、組織力の強化・意欲の向上にもつながり、自ずと会員も増えていくと信じています。

 40歳までという限られた時間の中で、同世代が同じ目的に向かって切磋琢磨することで築かれる人間関係。それは深い絆となり青年会議所を卒業した後も、まちを支える原動力として力強いネットワークで結ばれていきます。

 ともに手を携え、一丸となって会員拡大を進めて参りましょう。

自由な発想で 未来に発進

 御殿場市民・小山町民は、どれだけ御殿場青年会議所のことを認識しているでしょうか。ITの普及により活動に対する情報発信の手段や範囲、情報量の多さはとどまることを知りません。けれども、いくら情報が溢れていても、相手にとって求めているものが違っていれば、せっかくの情報も意味を成しません。青年会議所が地域に対してどのような目的で活動しているのか、また会員一人ひとりがどれだけ真剣にこのまちの未来について考え行動しているか、さらには青年会議所の活動を一人でも多くの方に体験していただくことで地域の認識は深まると考えます。発信した分だけしっかりと検証を行い次の成果をもたらし、地域に広げていくことが重要であり、需要と供給のバランスを保ち相手のニーズに合わせた情報の共有と伝達が必要です。

 世の中も刻々と変化し進化を続けています。良いものは積極的に取り入れ、変化を繰り返しながら前に進んでいくことも私達青年の強みではないでしょうか。青年会議所が今後も地域にとってなくてはならない存在、必要とされる団体でいるためには、今の時代に沿った組織とは何かをしっかりと認識し、組織としてのあり方やメンバーの質を高めていく必要があります。目的に対し全員が同じ方向を向き、足並みを揃えることで変化に順応できる強い組織を確立できると考えます。御殿場青年会議所の更なる発展のため、多角的に物事を捉え型に嵌まらず自由な発想と先見の明をもって活動していただきたい。

 志高き御殿場青年会議所の素晴らしさを地域に広めて参りましょう。

人を魅了する 影響力のあるリーダーへ

 いつの時代も歴史や文化は形となり、人々の想いは希望となって次代に引き継がれるものです。そして、そこには必ずリーダーの存在があり、リーダーには人を惹きつける魅力があります。人を惹きつけるためには多くの経験の中から現状を正確に捉え、強い使命感の中で自らが先頭に立ち周囲を巻き込みながら行動していくことが重要であり、描いたビジョンを継続していくため次代へ伝えていく必要があります。それを学べるのが青年会議所という団体です。近年の会員減少と相まって、メンバー一人ひとりの経験不足及び教育不足は否めません。入会しただけで、ただなんとなく年月が過ぎ、JCの楽しさや厳しさ、偉大さを知らないまま卒業を迎える。それで次代のリーダーが育つでしょうか。

 最近では、在籍年数の浅いメンバーが増え、昔ほど先輩からJCを教わる機会は減ってしまいました。先輩方との交流もシニアクラブがない御殿場青年会議所では年に数回しかないのが実情です。若手メンバーには心を許し尊敬できる先輩が必要です。私達は、後輩達に多くの経験の機会を与え、学ばせ、体験させると同時に、自らが経験し感じたことを伝える義務があります。常日頃からJCに携わり、先輩の厳しさ、温かさに触れることが若手メンバーにとって貴重な経験となり、人を魅了する影響力のあるリーダーへつながっていくと信じています。

 経験が人を育てると言われるように、若手メンバーが一つでも多くの経験を積み、想いを育んでいけるよう取り組んで参りましょう。

子育てをもっと楽しく 子どもと育む未来を

 近年、凶悪犯罪・いじめ ・暴力行為 ・ひきこもり等の社会問題が深刻化し、情報化に伴う子ども達を脅かす悪環境の増加や、人や社会、自然など生活環境の変化による原体験の減少、家庭環境における幼少期の体験など、様々な社会的変化が要因となり、子ども達の精神的な自立の遅れや社会性の欠如などが浮き彫りとなっています。さらには、子ども達を支えるべき親や大人による子どもへの虐待など、未成熟な子ども達が大人になったことでの歪みも近年多発しています。全国的に子ども達を取り巻く環境や子育てに対する考え方が見直され、御殿場・小山でも様々な教育政策が行われています。

 青少年期における人間形成は、人間関係や生活環境によって大きく左右されます。その中でも豊かな人間性を育むためには親子の関係がとても重要であると考えます。学校や社会で多くの経験をすることでモラルや道徳心などの規範意識や他人を思いやる心を学んでいきますが、やはり基本となるのは家庭です。物事の善し悪しや生きる力は親が教え、子は親の背中を見て育ちます。親子のコミュニケーションを通じて親は子から、子は親や大人から多くのことを学び、ともに成長していくことのできる環境を創っていくことが必要ではないでしょうか。親が子ども達と真剣に向き合い、ともに楽しみながら、時には厳しく、そして愛情をもって優しく包み込むことが、子ども達にとって社会を生きるための礎になると信じています。

 子ども達が健やかに安心して暮らすことのできる環境を私達が創って参りましょう。

まちの活力は 御殿場青年会議所から

 駒門パーキングエリアや足柄サービスエリアの整備、スマートICの設置、国道138号線バイパス、新東名等道路整備の推進による利便性の向上や宿泊施設の充実に伴い、より多くの観光客がこの地を訪れるようになりました。さらには2019年全国椿サミット御殿場大会の開催や2020年東京オリンピック自転車競技ロードレースの開催などインフラ整備の促進により波及効果をもたらし、御殿場・小山の社会情勢も大きく様変わりをしています。これをチャンスと捉え今以上に御殿場・小山に人を呼び込む仕組みを模索していく必要があると考えます。まちづくりを考える上で人々の生活は切り離して考えることは出来ません。日々の暮らしの中にこそ地域の課題やヒントが隠されており、問題意識をもち、変化に気づくためにはまちのことをより深く知る必要があります。御殿場・小山には、私達が知らないだけで数え切れないほどの魅力が存在しています。人は、知らないことに興味をもつことはできませんし、未来への希望がなければ理想のまちづくりは難しいはずです。何気ない普段の生活から少し手を広げ、地域の取り組みに関心をもち、多くの方々と交流を図ること。その上で地域の現状を理解し、未来を良くするためのビジョンを描き行動することでまちは変わります。積極的に地域の課題に取り組み、御殿場・小山の魅力を引き出していくことがこのまちの活性化につながると信じています。

 御殿場青年会議所らしい発想と行動力で御殿場・小山を更に元気にして参りましょう。

原点を忘れず 新たな可能性を信じて

 今の時代には今の時代の課題があり、未来には未来の課題があります。 今を生きる私達が行うべきことは、先人達によって創られた歴史を大切に守りながら新たな可能性を発掘し、次の世代へつなげていくことではないでしょうか。昨年、御殿場青年会議所は、諸先輩方の培われてきた伝統と経験に改めて感謝するとともに、原点に立ち返ることで会全体を通して御殿場青年会議所のあるべき姿を提唱して参りました。今年はその想いを胸に、原点回帰によって得られた強い団結力をより強固なものとするため、互いに理解し、妥協するのではなく共有し創造していくことで調和を生み出し、そこから新たな変化をもたらすことで会全体の成長につなげていきます。私達は、入会の目的や活動の意味は人それぞれであり、各々違った価値観をもっています。だからこそ価値観を押し付けるのではなく、異なる価値観を互いに共有することで新しいアイデアが生まれ、今までにない変革をもたらすことができると考えます。各々が活動に対し他人事ではなく自分事として捉えることのできる価値観を活動の中から見出し、互いに創造していくことができればきっと大きな力になると信じています。

 常に会全体を見渡し、ともに苦労し支えあいながら活動して参りましょう。

経験やつながりは 継続的進化

 物事を行う上で経験は最大の武器となり、いかに多くの体験や経験をしたかによって結果は大きく変化し、その後の展開も変わってきます。なかでも協議会や他LOMとの交流は青年会議所において、今後の活動においても重要な位置づけであると考えます。協議会や他LOMとの連携・交流を行うことで互いを高めあい、新たな出会いや今までにない思考、地域をも変えることのできる可能性を生み出します。やるからには徹底的に覚悟をもって挑戦し、最後までやり抜いていただきたい。そこには様々なドラマがあり、経験した人にしか分からない苦労や楽しさ、その経験を共有し互いに成長していくことで結ばれる強い絆。それこそが自身の貴重な財産となります。また、経験や人とのつながりはそれだけでも素晴らしいことですが、次に活かされてこそより高い価値をもたらしていくと考えます。経験によって得られた情報や能力をLOMに還元するとともに、地域や家庭、仕事などあらゆる場面で有効に活用し展開していくことが、個の成長のみならず会全体の成長へと結びついていくはずです。

 結果に満足せず、経験のさらにその先を目指して積極的に活動の輪を広げ進化を続けて参りましょう。

限界の先に 無限の真価  想いをつなげ NEXT INNOVATION

 メンバーの皆さんは一つひとつの事業に対して全力で取り組んでいるでしょうか。本気でメンバーと向き合っていますか?もうできない。もう駄目だ。と思った時に諦め、投げ出してはいないでしょうか。多くのメンバーを見てきましたが私自身もそれに近い存在でした。私達は人生の中で様々な問題に直面し、その度に答えを見つけ、決断し行動していくことで前に進んでいきます。出した答えのほとんどは、誰かから聞いて簡単に得られるものではなく、自らの生き方の中で学び、掴み取っていくものだと考えます。とかく私達は事あるごとに言い訳をし、苦労を避け、できない理由をならべ、楽な方へ逃げてしまいます。けれども、それは一時しのぎであり、結局逃げた分のしわ寄せは自身に降りかかり、かえって大変な思いをしてしまうものです。であるならば、思い切って大変なことに挑戦してみてください。時には失敗や遠回りすることもあるでしょう。けれども失敗は決して無駄ではなく、意図的に困難な環境へ身を投じることで、その先には必ず成長があります。その勇気ある決断が成長の第一歩であり、常に前向きな可能思考であるならば、行動により道は開けていくのです。一度やると決めたことは妥協せず自分の信念に沿って、これ以上できない!というところまでやり遂げ、自らの経験の中で手にした答えこそが、困難に立ち向かう大きな支えとなり、無限の可能性を秘めた真の価値を見出していくと信じています。皆さんのJCライフを良くするも悪くするも結局のところ、その答えは自分自身の中に隠されています。

 しかしながら、苦労もただ辛いだけでは長続きしませんし、何かをするにしても一人の力では限界があります。では、どうすればいいのでしょう。仲間を信頼し、ともに支えあうこと。楽しむこと。想いを伝えていくこと。理事メンバーにおいては、一つひとつの事業がいかに有意義な活動になるかを模索し、そのための提案を惜しまないでください。そして、自らが率先して事業に参加していただきたい。特に委員長は、自分の事業だけでなく、委員長同士で協力すること。いつでも委員会メンバーを信頼し、自分のビジョンを伝えてください。きっと力を貸してくれるはずです。メンバーにおいては、委員長を支え、楽しみながら活動してみてください。メンバー同士が協力し、支えあうことで苦しさの中にもやりがいが生まれ、最後までやり遂げた後の達成感と協力してくれた方への感謝につながるはずです。そして、その感じた想いをぜひ次代にもつなげていただきたいです。

最後に

 人は一人では生きていけません。人と人とが支えあうことで私達は生かされています。私も多くの人達に助けられ、支えられて今があります。JCにおいては、LOM・ブロック ・日本とほんの一部ですが、普通では経験しがたい貴重な経験をさせていただきました。何度も苦しい状況を経験し多くの失敗をしましたが、その度に家族や従業員、LOMのメンバーに助けていただきました。その中で、経験したからこそ感じたこと。それは、御殿場青年会議所が一番であるということです。日本もブロックも素晴らしいところがたくさんありますが、御殿場青年会議所の団結力と信頼関係、地域を想う気持ちは何処にも負けてはいないことを改めて感じました。

 JCのみならず、社会において良くも悪くも経験しなければ見ることのできない景色がたくさんあります。私達は一人ひとりが主役であり、各々に欠くことのできない存在意義があります。このまちのため、未来のために皆さんの力が必要です。臆することなく困難に立ち向かい、大いにチャレンジしてください。 ともに苦労し、ともに楽しみながら成長していきましょう。