2020年度 理事長所信

一般社団法人御殿場青年会議所 理事長所信

知行合一

はじめに

2020年度 理事長 沼田幸治
2020年度 理事長 沼田幸治

自分たちの手で明るい豊かな社会を築き上げたい、という強い志を持った青年たちの手で日本青年会議所の灯がともり、その志は「修練・奉仕・友情」の三信条として各地域に波及しました。それから13年後の1962年に御殿場青年会議所が誕生して以来、諸先輩方の地域を想う情熱、勇気ある挑戦、積極的な行動により実現されてきた青年会議所運動は地域の発展の礎となり、その運動の灯は絶えることなく今年で59年目を迎えます。

60周年の節目を間近に控え、御殿場青年会議所の歴史を作り上げてきた諸先輩方の運動に感謝するとともに、私達はたゆまず自身を磨き、仲間と手を取り合い、地域のために積極的に行動できるリーダー育成の輪を拡げるべく邁進いたします。

御殿場青年会議所の看板は自分自身

私は2018年にまちづくり委員長として活動をする中で、多くの方々と接し意見交換をする機会に恵まれましたが「青年会議所ってどんな団体?」「JCという名前は聞いた事はあるけど、どんな活動してるの?」と尋ねられる場面が多々ありました。その際に青年会議所の概要や直近の活動を紹介すると「そんないい事業をやってるなんて初めて知ったよ!知ってたら参加したのに。」というお言葉をいただきその反響に驚かされました。我々は求められ、必要とされている事業を行っております。しかし、その多くはまちの人に伝えきれていない現状があります。現在日本では携帯電話の普及率が平均 1人2台となり、それこそ携帯電話1本あれば多種多様な伝達方法で気軽に人と繋がり宣伝できることが当たり前の時代となりました。

しかし液晶の文面は、対面や電話での会話に比べて気軽に発信できる反面、言葉の重みはなくなってしまい、時に大切な言葉も伝わりづらくなってしまいます。様々な伝達方法がある中で、御殿場青年会議所の最大の看板はメンバー自身だと私は考えます。青年会議所の組織や事業を知るうえで、チラシ・ポスター、パンフレット、SNSなどの情報は最低限、最大の情報源は青年会議所運動を体験している我々自身なのです。人は見た目が9割と言われるように、周囲の視線は我々の外見や所作で多くを判断します。地域を担うリーダーとして御殿場青年会議所の看板を背負うからにはメンバー一人ひとりが組織の規律を重んじ、内面だけでなく普段の外見や所作にも気を配りながら発信する事がとても重要となります。そして青年会議所活動だけに囚われず今まで以上に行政や地域の自治会、他団体の活動に積極的に参加し、それぞれの目的や事業を知り、青年会議所としてできることを考え、協力しお互いの活動に繋げていく事で、地域に頼られ、必要とされる組織になっていくのだと確信しております。

目的を知り強い意志をもて

「仕事に活かせれば」「人脈を広げるために」「地域に貢献したい」「誘われてなんとなく」など 青年会議所 入会の理由は様々です。 いろいろな想いを秘めて活動していくうちに、「仕事に繋がらない」「普通会社じゃこんな面倒なことやらない」など入会動機や自己欲求に沿わないことも多々あるかもしれません。同世代の多種多様な業種が集まっているだけにそれこそ価値観や思想も十人十色です。 入会動機は異なれど、御殿場青年会議所という「組織」に属する決断をしたのは自分自身です。青年会議所は自己の欲を満たす場ではありません。青年会議所活動を意義あるものにするためには、参加し続けることはもちろん、「組織」としての運動を学び理解する事が重要です。

青年会議所という「組織」は様々な学びや体験の機会を我々に与えてくれます。「組織」から得たメンバーの学びや経験は個人に留め置くのではなく「組織」のために還元して初めて最大限に活かされます。メンバー一人ひとりが青年会議所の目的を自分事と捉え、自らの時間と行動を「組織」に捧げる覚悟を持ち、まずは「自分の為に」ではなく「相手の為に」という意識、そして「我々の為に」という強い意志が「まちのために」という青年会議所の目的に繋がり、メンバー一丸となって運動する先に地域を想い行動できるリーダーとしての「組織」があると確信しております。

JCを学び、体感し、伝えよう

青年会議所を維持し、地域で活発に運動していく根幹となるのは拡大です。近年日本の青年会議所全体で毎年3%の会員減少が続く現状で、御殿場青年会議所は 2017年のブロック大会主管という大きな担いの後もメンバーの拡大意識の高さで会員数は大きな減少に見舞われることなく30名以上を保ち続けています。しかし40歳で卒業となる青年会議所では、会員減少は常に起こる現実です。数より質という言葉がありますが、数を疎かにして質を高めるべき対象がいなくなっては本末転倒です。我々は明るい豊かな社会を創る組織です。多くの人が集まれば様々な知識が流入し、実現できる事業の規模も広がり、規模の大きい事業はそれだけで社会に大きな影響を与えられます。

今年度は36名でのスタートとなりますが、今年と来年を合わせ10名卒業という現状を見据え、会員の維持だけでなく発展の礎とするべく2000年度以来の会員50名を目指し、15名の拡大を目標に掲げます。 青年会議所 とは、自らを見つめ直し学び鍛える修練、自らの利害に関係なく相手の為に行動できる奉仕の精神、自ら踏み出すことで無限の友情を得られる機会、これらを与えてくれ自分自身がよりよく変われる学び舎だと私は考えます。だからこそまずは我々自身が青年会議所の行っている事業や活動を都度体感し、未来の同志が入会することで得られる可能性を伝え、共に歩む一歩を踏み出してもらいましょう!

まちづくりはひとづくり

1964年から56年目の今年、半世紀を経てオリンピックが再び日本に戻ってきます。 この御殿場・小山のまちでもオリンピック・パラリンピックのロードレース競技が開催され、市町外から非常に多くの観光客が訪れます。 御殿場青年会議所としても改めて御殿場・小山の魅力や活動を知り、対外に発信するまたとないチャンスです。

埋もれてしまっている伝統の復活を図るか、 既存の地域の魅力を掘り下げるか、はたまた新たなまちの創造をするかなど、まちの良さを引き出す切り口は無限大です。 まちづくりはひとづくり、青年会議所としての使命は創られたことを引き継ぐことではありません。未知の可能性を切り拓き、率先してまちの発展のきっかけを創り続け、まちをよりよくしようと積極的に動ける人財を1人でも増やしていく事が明るい豊かなまちづくりに繋がるのです。

子どもの可能性は無限大

子どもだった我々に、地域の大人たちは学校だけでは知りえない様々な体験をさせてくれました。その体験は、自身の人生形成において非常に大きな影響を与えてくれました。現代社会において育児放棄問題が取りざたされている反面、わが子を想うあまり 「安全・安心・知ってる・無理させない」などの言葉を念頭に、子どもに挑ませない過保護な家庭や過干渉な親も増えています。

しかし子どもの意欲と探究心は時に大人の先入観を凌駕します。未知の体験を経て目まぐるしい成長を遂げる芽を事前に摘むのは非常にもったいない。子どもが成長し自立する上で、実現や成功などのプラス体験はもとより、葛藤や挫折などのマイナス体験も含め、多様な体験を経験することが不可欠です。だからこそ、子どもたちに学校や家庭では触れ得ない広い世界に繋がる機会を創り体験させることが御殿場青年会議所の責務だと考えます。

まちの未来を担っていくのは子どもである。これはいつの時代も不変です。子どもたちの得る経験の一つ一つが地域の可能性を拡げていくでしょう。

知行合一

日本の青年会議所は人数の減少だけでなく、在籍年数の縮小も問題となっています。 それに伴い、在籍年数の長いメンバーも減り続け、その豊富な知識や経験を伝え聞く機会も減ってきております。このような現状で大事なことは教わるだけではなく、伝えていく責任を果たす事です。青年会議所の活動は多くの学びと経験を与えてくれ、人として成長することができます。また人としての成長とは、自身の欠点、困難な試練、厳しい助言を素直に受け入れ向き合った時にこそ大きく得られるものです。 そこで得た経験や知識は、他のメンバーに伝え分かちうことでより良い影響をもたらします。

みなさん、まずは多くのメンバーと話しお互いを知りましょう。そしてひとつからでいい、あなたが青年会議所活動で得た知識や経験、または教えてもらった事をみんなで分かち合えば、それが次代の御殿場青年会議所運動の成長につながっていくのです。

親愛なるメンバーへ

「自分の例会に出てほしかったら、まずは自分からみんなの例会に出席してあげなさい。」 青年会議所という組織をいまいち理解しないままだった自分が委員長拝命時にかけられた言葉です。

いま、みなさんの青年会議所活動はどうですか?楽しい?難しい?めんどうくさい?つまらない?

難しいのなら挑戦している自分を褒めてください!めんどくさいのに出席している自分を称えましょう!つまらなければあなたが面白くしてみましょう!青年会議所は参加することで学べ、責任を得ることで気づき、経験することで教えてくれます。 私は何もかも犠牲にしてまで活動しろとは言えません。

しかし青年会議所メンバーである以上40歳で卒業という限られたJCライフの中で、誰もが大なり小なりリスクを背負ってでも青年会議所活動に参加すべき瞬間があります。青年会議所活動にエスカレーターはついていません。やるのもやらないのも あなた次第です。前だけを見て、時に不利益を呑みこんででも挑み、やり遂げればJCはきっと楽しい!

最後に

なんでもできて頼りがいのあるリーダー!そんな人に私はなりたい・・

しかし、学びが多いJCではやればやるほど足りない点が見えてきます。今でも私はみんなと同じく40歳まで学び続けるメンバーの1人です。それでも多くのメンバーから学び、事業に参加していく中で自分の中に見つけられたひとかけらの責任感、それがあるから私は前に進めます。うさぎでも亀でもいい、前へ、もっと前へ。みんなで前を向いて成長できる御殿場青年会議所でありたい。

みなさま、一年間どうぞよろしくお願いいたします。