百年に一度

この記事は2009年5月20日に投稿されました。現在の状況とは違う可能性がございます。

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NHK 大河ドラマ 「天地人」で吉川晃司演じる 織田信長が天下をとるために必要なもの 「天の声 地の利 人の和」という台詞があった。このことば 2009年度 日本青年会議所会頭安里繁信氏の座右の名である。人は城、人は石垣、人は堀・・・。昨今の人員削減への批判として用いられる句だが、それは多くの経営者の胸にも刻まれている言葉だろう。綺麗事だけでやり過ごせない苦渋の決断を迫られる立場だとしたら、その心中はいかばかりか?トヨタ自動車株式会社の創始者・豊田佐吉の遺訓は豊田綱領として纏められている「 1、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし。1、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし。1、華美を戒め、質実剛健たるべし。1、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし。1、神仏を崇拝し、報恩感謝の生活を為すべし 」とある。家庭的美風すら前時代的と否定されかねない現代的風潮の中で、これを活かすのは難題にすら感じられる。人員削減は確かに非情な話だけど、それを企業の横暴と切り捨てるだけでは、割り切れない感が残る。創業の精神などにも見られるような先人の遺訓は現代社会がこの百年の内に失いつつある人の生き方を問いかけている・・・。