和をもって尊しとなす・・・。

この記事は2009年6月30日に投稿されました。現在の状況とは違う可能性がございます。

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日本ではじめて「会社」という言葉が登場したのは、福沢諭吉の「西洋事情」の中だといわれています。英語の「カンパニー」の訳として諭吉が用いた言葉です。諭吉がここで「会社」と表現したのは、営利企業だけではなく学校や宗教などの組織をも含んでいたようです。すなわち、「会社」という言葉には、当初から金儲けだけではない意味があったのです。私はそこに、日本の「カイシャ」、そして「日本型経営」の持つ深い意味を見るのです。日本の「会社」は働く場だけではなく、人生の多くの時間を過ごす場としての意味を持っています。その綴りは、「会って社を作る」と書きます。「会」って、集まる場所である「社」を作る。そこで約束を作り、政(まつりごと)を行い、コミュニティーを形成する。それが日本の「会社」だと思う。日本の経営には、終身雇用、ワークシェアリングといった相互扶助の考え方が根底にあるが、この考え方はなぜ生まれたか?私なりに、日本民族は農耕民族だったため、農耕で成り立つ社会は、助け合わなければ、食べていけない社会です。「和をもって尊しとなす」という言葉に象徴されるように「社」を中心に助け合い、組織を作り、一体感を有する社会です。